「河川クラス(リバーグレード、ホワイトウォータークラス)」とは、川の急流の難易度を表す国際的な基準です。主にカヌー・カヤック・ラフティング・SUP(リバーSUP)などのリバースポーツで使われます。
河川クラスの基本分類(国際グレード)
河川クラスは、クラス1〜クラス6までの6段階にクラス分けされています。
クラス | 難易度 | 特徴 | 対象者 |
クラス1 | とても易しい | 流れが緩やか、障害物ほぼなし。 | 完全初心者 |
クラス2 | 易しい | 小さな波・瀬あり。基本操作で回避可能 | 初心者〜初級者 |
クラス3 | 中級 | 波が高め。複雑な流れ。テクニック必要。 | 経験者 |
クラス4 | 上級 | 強い波、巻き込み、連続した障害 | 上級者 |
クラス5 | 熟練者向け | 激流・大落差・非常に危険 | プロレベル |
クラス6 | 探検級 | ほぼ下ることが不可能。命の危険あり。 | 禁止・極限冒険 |
*クラスは水量や天候によって変動します!
例:普段はクラス2 → 増水でクラス3に(急流化・流速増加)
同じ川でも、雨で増水するとクラスが1〜2段階上がることがあります。
日本三大急流
川の名前 | 所在地 | 特徴 | クラス(目安) |
最上川(もがみがわ) | 山形県 | 松尾芭蕉の俳句でも有名な歴史ある川。観光船もある。 | クラス2~3程度(区間による) |
富士川(ふじがわ) | 山梨県・静岡県 | 甲州流しで有名。源流は長野、富士山近くまで流れる。 | クラス3~4(中~上級) |
球磨川(くまがわ) | 熊本県 | 急流下りの名所。かつての「川の暴れん坊」 | クラス3~4(中~上級) |
補足:激流≠危険だけではない
• 「三大急流」は文化・水運・観光価値を含めた歴史的視点で選ばれたもの。
• 単に「最も危険・急流」というより、**日本人の生活に密接な“急な川”**という位置づけです。
では、日本一の激流は?
「三大急流」とは別に、**激流の難易度でトップなのは吉野川(小歩危)**です(先述の通り、クラス4〜5級の激流)。
四国・吉野川(小歩危コース)なぜ、日本一と呼ばれるのか?
急流の難易度 | 国際グレード【クラス4~5】(※最大級) |
代表区間 | 小歩危(こぼけ)セクションが特に有名 |
激流の種類 | 巨大な落ち込み・渦・ホール・ボイルが連続 |
落差の大きさ | 数メートル規模の落差あり。転覆リスク高 |
ラフティング大会 | 国際ラフティング連盟(IRF)公認レース会場にも選出経験あり |
別名 | “東洋のグランドキャニオン”と称される景観も |
日本の代表的なクラス2以上の河川(例)
- 長良川(岐阜)…クラス2〜3の区間あり
- 球磨川(熊本)…クラス3〜4(上級)
- 四万十川(高知)…クラス1〜2(区間による)
- 鶴田ダム下流の川内川(鹿児島)…クラス2〜3
九州のクラス2以上の河川一覧
① 川内川(せんだいがわ)|鹿児島県
• グレード:クラス2〜3(鶴田ダム下流)
• 特徴:幅広で比較的安定した流れ。SUPスクールもあり、初心者〜中級者に人気。
• 備考:増水時は中級者以上向け。スカウティング推奨。
② 大野川|大分県
• グレード:クラス2前後の区間あり
• 特徴:豊後大野〜大分市内にかけて、SUP体験ツアーが開催されている。
• 備考:穏やかな場所と急流区間が混在。流れの速さに注意。
③ 番匠川(ばんしょうがわ)|大分県佐伯市
• グレード:クラス1〜2(区間による)
• 特徴:清流百選に選ばれるほど透明度が高く、SUPでのんびり川下りも可。
• 備考:少し流れのある区間もあり、自然を満喫できる。
④ 球磨川|熊本県(注意が必要)
• グレード:クラス3〜4(激流)
• 特徴:日本三大急流の一つ。SUPで下るには上級者向け。ツアーはほぼなし。
• 備考:現在一部区間は災害復旧工事中の可能性あり。必ず最新情報を
SUPでクラス2以上の川を楽しむときの注意点
SUPでの川下りは、海や湖とは違って自然との対話が求められる遊びです。
項目 | 説明 |
🧠 スキル | クラス2以上は「流れ読み」「フェリーグライド」「エディキャッチ」などのスキルが必要。 |
🛟 装備 | ヘルメット、ライフジャケット(PFD)、リーシュ(クイックリリース)必須。 |
📅 天候確認 | 雨天後の増水に要注意。流速が一気に上がると危険。 |
🧭 スカウティング | 難しそうな瀬は、事前に岸からチェック(スカウティング)すること。 |
👥 同行者 | 単独行動は避け、経験者と同行、またはガイド付きツアー参加を推奨。 |
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